
愛知県仏教会会長
浄土宗 傳光院住職 |
県下各御寺院ご上人におかれましては、日々の布教活動、御法務にご活躍のこととお慶び申し上げます。平素は愛知県仏教会の為に、ご理解、ご協力を賜り誠に有難うございます。
不況の尾を引いたままの新しい年度が始まりました。いったいどんな年になりますでしょうか? 新政権の歩みが今後宗教界にどのような変化をもたらすでありましょうか? 危惧するところであります。
さて 先般「愛知県仏教会会報・ごあいさつ」にて述べさせて頂きました様に、引き続き"今の時"を思う所の「所感」をご挨拶として載せさせていただきます。
昨今 心するところに、不信心・お寺離れが急速に起こっていると感じます。そして、そのことに対して各宗旨・宗派が信仰心を高めるために、何か効果的な対策をなしているか・・疑問に思われます。数年前までは、葬儀こそはお寺(僧侶)無しでは出来ないと思われていましたが、今の葬儀の形態として、直葬・家族葬・音楽葬・一日葬・密葬・地味葬・自然葬・樹木葬・散骨葬・友人葬・お別れの会・無宗教葬・プロデュース葬・宇宙葬・・・・などなど様々な形で執り行われています。全く宗教色を廃した葬儀も珍しくも無く、参列者自体も大幅な減少となってきています。人生最後の一大事!寂しく思われます。また 過疎地では無住寺院が増え、僧侶不足の不安を持つ地域住民の声も聞きます。 他方 株式会社のお寺(東京・大阪・愛知)も生まれ、斎場自体が宗教法人(千葉)となり、妻が代表役員・主人が斎場の館長となっている例もあり、伝統ある宗旨・宗派が脅かされているところも有ります。
また、このところ良く耳に致しますのは、昔から行われている、毎月の檀家さんへのお参りを断られ、葬儀なども住職一人で執り仕切って欲しいとの要望が多くなり、御法事なども単数年(7回忌)までで、後のご法事はなされないと・・・また お寺への寄付金を老夫婦が納めたら、一年後にその息子から叱られ、返金を求められたとか・・・今までに想定してなかった事態が起きています。
供養の仕方も、お仏壇不要・僧侶無用の手元供養なる方法が行われ‥
@ 遺骨の一部だけを手元に置ける焼き物に納める
A 遺骨をペンダントなどに加工し身につける
B 遺骨を海に 山に 川に 湖に散骨 などが流行りつつ
あります。こうした今、寺院に迫る新たな課題として、葬儀業への
更なる新規参入があります。大手スーパー(イオン)や建設会社の葬祭・供養を執り行うグループ会社の設立であります。まさに葬祭業は大競争時代に入っています。そしてそれに伴う所の葬儀に関してのトラブルが増え、「不透明な葬儀費用」の批判が、寺院・住職にまで及んできています。また それに付随する墓地・火葬場の設置場所に格段の厳しい条件がなされてきています。さらに「僧侶派遣会社」・・・僧侶の世界にも派遣があることを世間に知らしめ、既存の葬儀形態の見直しを図るよう「葬儀革命」なる「派遣僧侶」の新規参入である。 30年先には人口自体も減少し、檀信徒の減少から寺院経営にも影響されると予想される。
そして高齢化社会に伴い、葬儀が増えると思われますが、葬儀を出す施主側になるのは、2〜3世の若い方々、その方たちの信仰心が無ければ、宗教色は薄れ、資産の有無に関わらず、火葬だけの「直葬」が急増します。さらに本音としては「葬儀にお金を掛けたくない」と考える人が、近いうちには3割以上になると予測されます。
今までは「檀家」として特定の寺院に所属していることで、宗教に関する事柄に関しては「お任せ」で一面安心感を得ていたが、今後は檀家自身の意向で宗教に関する事柄は進めたいという流れが強まるはずである。そしてそういうニーズを満たしてくれる寺院が求められるのではないだろうか・・・今までのように「檀家だから付き合いは仏事を任せているから仕方ない」から、一面ですが、費用のにおいてもより安価な・・・という自分自身が「頼れる寺院」を選び取って行く人が増えてくるのではないだろうか。
また 最後に追い討ちを掛けて視界不良の「宗教法人税」と、ネット上では高まる宗教課税の声! 前にも述べたように「直葬」が増え、葬儀にまつわる戒名料・お布施のキックバック・不透明な葬儀料・・といったマイナス情報がネット上で自由に映し出され、寺院と僧侶に対する視線が厳しいものになりつつあります。
寺院にとって、宗教離れ・寺離れ・葬儀離れで収入減となる中、課税されれば一気に経営問題となる寺院もあるであろう・・・
これらを思い、今一度 私自身 檀家・信徒・若い人たちの寺離れを言うよりも、寺院側・住職側からして、檀家離れ・信徒離れ・若い人離れの種を作っているのでは・・・と 今一度 心して問いかけたい。
合 掌
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〔会長自坊〕
浄土宗 傳光院
名古屋市名東区
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